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武術秘伝書夢世界第七十六話 【當理流伝書(仮称)】
無二斎兵法が本当に二刀兵法の発明者であったのか。その真実は古寺経典に封ぜられた直筆伝書断簡の妖しき真言呪文の中にある

過去世の真実を明らめるには代違い史料の比較探求が必須だと言う話
武蔵ほど研究書の多い剣客は他にいないと思うが第二次、第三次の巷間俗気本を集めてもその本質が明らかになることはない。その真実の探求にはやはり根源的な当時に作成された第一次史料をみてゆかねばならないだろう。しかしながら第一次史料といっても一点史料における断片的な記述が必ずしも真実であるとは限らず、やはり多くの史料比較による類推が必要である。しかしながらそこで一つ注意しなければならないのは未熟な段階の浅い探求による胡乱なる推論を断定的に強弁してはならないことである。ましてやそれが他の研究者の受け売りであったとするなら、これは余りにも情けない。
夢語人も武蔵兵法の本質を明らめようと、当時の武術史料をかなり探求し、その比較研究の推移はそれなりに公開してきたが、余りにややこしい考証は個人誌のみの発表に止めたために、その考証論拠が未だ一般化していないのは少し残念なことである。夢語人は確かに無二斎兵法を[一刀剣・二刀剣・十手二刀剣・小太刀・捕手・小具足・縄・手裏剣]と言う風に伝書からの類推により、分別したことがあるが、これもあくまで類推であって、その類推論拠が理解されないままむやみに結論だけを写され、断定的に強弁されると少し困るのである。
それはともあれ、その真実を探るには無二斎伝書を徹底的に解析するのが結構なのであるが、その武術内容を探求できる史料としては無二斎が水田某に発行した當理流目録しかなく、これは殆ど二刀剣法(加えて小太刀伝もあるが)の武術が現れている。しかし水田氏自身は逆に一刀剣法と考察できる剣術目録伝書を発行しており、よって無二斎兵法とは必ずしも二刀剣法オンリーではなく、一刀剣法をも伝承したであろうことがある程度推測できるわけである。しかし考えてみればこの一刀剣法は水田氏の独創、もくしは他系剣法から付加したものであるかも知れず、そうすると必ずしも無二斎が一刀剣法を伝承したとは言い切れないかとも思ったのである。しかしながら夢語人は無二斎伝書や他系伝書との比較研究から、やはり水田伝書の一刀剣法伝は無二斎伝承であったと考察するのである。それは兵法古寺に無二斎伝書の断簡が現存しているからである。それは無二斎兵法の内容が現れているわけではなく、真言呪文の羅列に過ぎない極めて断片的なものであるが、しかし驚いたことにその部分は水田氏の一刀剣法伝書の末尾の書込と見事に一致しており、故にこそ水田伝書が無二斎伝書の殆ど写しであったであろうと考察できるのである。勿論末尾が一致しているといって前段部までが全て完全一致しているとは必ずしも断言出来ないが無二斎兵法の本質を類推できる優れた史料であることは事実である。そのような伝書比較論を提出せずして無二斎兵法の本質を論ずるべきではないと思うのである……。
ともあれ過去世の武術の本質を明かすために研究者もそれなりの推理努力をしている事を少しは分かって頂けただろうか。しかしそれは優れた推理小説にて犯人探しをなす以上の楽しみと夢、そしてぞくぞくとした臨場感がある事は断言しておこう。なにせそれは造りもののミステリードラマなんぞとは違い、全くの真実そのものであるのだから。

●解題
宮本無二斎(伝書では無二助となっている)が慶長二年(1597)に奥田藤左衛門に発行した伝書の断片である。一断簡ではあるが、数少ない宮本無二斎直筆伝書であり、武蔵兵法の原典を示す為にも極めて貴重な史料と言えるだろう。奈良宝山寺に秘蔵され、経典の間に貼られて巻き込まれている。そのようにして保存した意味合いは不詳だが、武蔵武術の謎を解く幻の秘伝書を秘匿したと言うことかも知れない。また何故に宝山寺に無二斎伝書があるのかも謎である。[宝山寺所蔵]

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