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武術秘伝書夢世界第七十二話 【無相流新柔術序極意根本皆傳之巻】
幕末に成立し讃岐に伝承した新興柔術−−。相(ルビ・すがた)無きを唱える不思議な流儀の沿革に作州宮本家兵法の影を観る

幕末の新流儀の中にも戦国以前の古流義の秘儀が伝承しているかも知れないと云う話
夢語人における生国地元の剣豪、宮本武蔵が編み出した独特の両刀剣術の本質を追求する過程において、武蔵の養父、宮本無二斎は捕手や小具足に堪能であり、また武蔵自身も人に応じては独特の柔氣(ルビ・やわらけ)、つまり体術を伝承していたと云う説と史料が存在することが次第に分かってきた。
実際東京王子には武蔵流柔術が極近年まで現存していたとも言われ、また無二斎の体術を継承した無双流と名乗る体術流儀の伝書、それも慶長年間に遡る極めて古い時期の秘伝書までがかなり存在しているのである。調査を進めてゆくと武蔵の伝承した柔術伝書も現存していることも分かってきた。実際武蔵は初陣(十三歳、有馬喜兵衛との決闘)にて組討と棒術にて相手を倒しており、柔術や棒術にも堪能であったのだろうと思われる。よって以降夢語人は武蔵剣術の修行と探求とに平行して武蔵柔術も大いに研究対象に含ませて追求していったのである。
遺憾ながら実伝としての純粋な武蔵柔術は既に失伝してしまっているとみられるが、その系を引くと思われる荒木流捕手や無双直伝和義の一端に触れることが出来、特に無双直伝系の豊富な資料により武蔵柔術の面影を体現することがある程度出来る様になってきたのである。
そしてそれらとは別に宮本家古伝体術の系脈を引くのではないかと思われる「無双流」と呼ばれる体術流儀が結構各地に残っていた事が分かってきた。宮本家とは関係のない無双流もあるかと思うが、宮本家の地元に近い讃州には幾つかの系統の無双流(無相流・無想流などを含む)が伝承しており、これらの中には宮本家体術を源脈に持つのでないかと思われる流儀が存在する。いや実を言えば讃州系の無双流が武蔵柔術の系を引くとの観察は夢語人が提出する所の仮説(奇説?)であり、まだまだ一般論とはなっているわけではないのだけれども。ただ武術史研究家としての夢語人の観察をある程度認識して頂いた上で今回繙いた秘伝書の本質を観て頂きたいと思うのである。
この秘伝書は明治期のものであるが、流儀自体は幕末に醸成された比較的新しい流儀であり、よって名称も新柔術を名乗っている。内容的には日本伝柔術の奥伝とも言える活法伝を図説した彩色絵目録となっている。しかしながら確かに新流儀ではあるのであるが、宮本武蔵の門人、藤本左近の系統で伝承され、同じ系脈で後世に成立したとされる天下無双流柔術の流脈とかなり関わりがある流儀であると観察されるのである。その傳脈系が正しいかどうかは現時点では中々に難しい命題であるけれども、武蔵柔術の秘儀の一端が現れているのではないかと云う立場で伝書を眺めると宮本家兵法の奥深さと偉大さが如実に感じられ、家長である宮本武蔵の謦咳にまで触れることが出来た様に思われてくるのである。

●解題
明治三十八年(1905)に樋口政次郎正義から福井勝宛に発行された流儀の皆伝書。蘇生活法の術の絵図が十二図も彩色で描かれた優れた絵目録となっている。時代が新しい故に髷のない明治の風俗で描かれいることも興味深い。この伝書の内容は実は他流にも全く同じものがあり、何方かがコピーしたのだと思われる。別に史料がまだまだある可能性があるが、類似の伝書の年代比較からすると取り敢えずは無相流の方がオリジナルに近い様に思われる。殺活法を図説した著名な書籍として既に『柔術整理書』は発行されていたが内容的には同じではない。同流は三代前の中條勝次郎が開いた流儀とされるが、源泉は戦国期に遡るより古いものがあるのだと云う。また秘伝書には鹿島神傳十四代と云う記載があり、直心影流との関係などを思わせるが、現時点では詳細は不詳である。ともあれ日本傳活法の本質を探る為にも大変に貴重な史料と言えるだろう。

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