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●武蔵剣法との出逢い3「宮本伊織傳二天一流」 武蔵剣法を追求して行く過程において、少し気になる系統が存在した。それこそ三十年前に出た『剣道日本』の武蔵特集の傳系図の中に宮本伊織系の流儀が現存しているように記載されており、しかもそれは東京であるらしい。ここから驚きと驚きが続くのであるが、順に語って行こう。 調べてみると何と驚いたことにその古い記録通り、世田谷に継承者が現存しておられたのである。しかもなお一層驚いたのは伝承者、秋満紫光先生は何と92才もの高齢であられた。そして驚いた事に頭脳は明晰であり、武道形も十分にこなせる身軽さをもっておられた。しかし驚いたことに殆ど門弟はいない。そして驚いたことに武蔵剣法形を打てるのは秋満先生と一人の門弟だけであるという。ところが驚いたことにその門弟とは剣道きちがいで有名な柳屋小さん師匠であるという。そして驚いたことに小さん師匠に連絡をとってくれて全ての形の演武をご披露頂いた。形を拝見してまた驚いた。先ず最初の驚きは形が木刀ではなく独特の袋竹刀で施行されることである。しかしも驚いたことに小手を付けて演じるという。 そして実際形をみたが、またまた驚いた。肥後の二天一流とは全く違った形で、趣も技術も気合も違う。肥後では見られない特殊な素早い技である。 秋満先生の技をみて是非ともその独特の形を身につけたいと思った。そして頼んでみると驚いた事に秋満先生は何時でもいらっしゃいと言われて気軽に入門希望を受け付けてくれた。 道場に窺うと驚いたことに秋満先生は必ず道着をつけて稽古を付けて頂けた。実際に形を学んでみると驚いたことに形に裏表の変化、展開がある事が判明したのである。 [続]
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