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●武蔵剣法との出逢い[4]「宮本伊織傳二天一流の体系」 秋満先生の二天一流をみて感動したのはその素早い動作と実際に打ちつけて型稽古するその実戦性にあったが、正しくこれが百戦百勝の剣豪、武蔵の真の剣法の様に思われたのである。また形名称は古典的であり、肥後二天一流の様なそっけないものではなく、それこそ真に古流的であった。そして技法としても一刀剣法と二刀剣法が伝承しており、肥後傳にはない独特の所作や趣があった。 形数としては裏表20本ほどの体系であり、それほど大きな教傳量ではなかったので何度か通って大体の形が打てるようになると、秋満先生の技を全て吸収したくなり、秋満先生が伝承しておられる荒木流居合術まで学びたくなった。秋満先生に頼んでみるとすぐに許しを頂けたので早速居合刀をもって訪れ手解きを受けるようになった。しかし居合術に関しては座り技が多いので、これは流石に秋満先生も膝を弱らせておられ、武蔵剣法とは違い形の手本を示すことがかなり困難であられた。 秋満先生が立って示されるのに習って筆者が動き、秋満先生から口伝でのご指導を賜ったが、何度か稽古して流石にやりつらく、そしてよく伺ってみるとこの形は先代がやられた技を秋満先生が整理され、形名称も付けられたということであり、それほど古い古典流儀というわけではないことが判り、居合の稽古はここで少し断念することとした。秋満先生からは二刀剣道のやり方まである程度教わったが、基本的にちゃんと学んだのは伊織傳二天一流のみである。
伊織伝二天一流3 |
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