●七月二日「龍宮城」 探しても探しても現代にあるのは商業経典ばかり。エンブダイにおいて本当の古式大乗武術が演じられる事はない。後は海中龍宮城に古典武術の断片を求め、それを基に正しいものを復元してゆくしかないのである。
●7月6日「備前焼」
七月四日に埼玉綜武館で「合氣の極意」について講習会を行った。参加者が多く二十名ほどとなり、広くなった道場も狭く感じられた事である。今まで一度も披露したことのない幾つかの武田惣角伝の古典多人数取りを実演し、皆で稽古してみた。一般の大東流では全く行われていない方法で極めて貴重な古伝技である。一般に行われているものは全く古典を崩したやり方で誰にでも効くと云うものではないが、古典はやはり素晴らしく打ち合わせなくとも確実に倒す事が出来る。やはり古典は素晴らしい。
参加された埼玉川越の武田流の神山師範からご子息であられる神山貴好氏が製作された備前焼きの酒器を頂いた。秩父で備前焼の窯を築かれているそうである。武道と備前焼、それもまた面白い取り合わせであるかも知れない。
工房は秩父山中にあるらしい。一般の方も一度遊びに行かれると面白いかも知れない。
連絡は電話●0494−75−4169
●「思い込み」
講習会でやった多人数取りであるが、古典の古典は長くやっていなかった為に一つ大きな誤りを犯した事に二日目に気がついた。全ての業はある程度の誤りがあってもそれなりの誤範囲で出来てしまう点に問題はある。しかし演武しつつ若干の「?」を感じ、帰って覚書をみてみると大体はあっていたが、一つ重要な点で左右の間違えがあったことに気がついた。普段やっていない業はやはり駄目。これが一つの結論だろうか。ともかく非常に反省している。機会があれば修正したいと思っている。
●7月8日「直心影流薙刀術」 管理人の剣道と薙刀、鎖鎌の師匠である竹下英五郎先生からこのたび上梓された『直心影流薙刀術』をお贈りいただいた。内容は直心影流薙刀術と短刀、鎖鎌術の型の全ての全てが詳説された大変な業績書である。奥伝、口伝もかなりのレベルで公開されている。非売品なのが残念。同書が多くの人に読まれ、この優れた伝統古流武術がより大きな隆盛を見ることを祈りたい。
非買品となっているが、同書のお求め希望者は一応竹下先生に連絡して見てください。
電話 0422−43−1689
●7月28日「自閉症」
武道を成すものは皆病気という論は実体的なかなりの正論であるが病気にも色々ある。武道師範の病名も様々であるが修行者には修行者の病気がある。また成す武道の種類においても変わるが修行者が殆ど全て「自閉症」という様な巨大武道も日本には存在している(武道と呼んで良いかは微妙であるが、現代の認識の変化に従う)。
武道は強くなる為にやるのが普通であるが、強くなりたいとは思ってない場合が多く、殆ど自己納得の為にやっている不思議な現象もあるのである。
いや最初の最初からその様な意識であっとは管理人も思わない。その中に入って自己の資質も含めて徐々に精神の変容が起こるのだろう。現代武道とは一種のカルトであり、困った事である。
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